
ユニカレッジは英語の学校でも文章術の学校でもありません。翻訳のプロが、未来の翻訳のプロに、プロになるために必要なすべてを教える場です。
「原文の字面だけを追い、理解の浅さを表面的な作文術でごまかすのは、最初からやめよう。上手に訳そうという気持ちは捨て、原著者の心の動きを正確にとらえること。それを第一に考える。その姿勢を忘れずに努力すれば、語学力とか文章力といった技術的なことは、自然と身に付いてくるはず」。それが私たちの信念。
私たちは、翻訳の「味」にとことんこだわります。そして味にこだわればこそ、多忙なプロの翻訳者の方々にお願いして、教壇に立っていただいき、多くても1クラス10人までの少人数制を敷いているのです。
ユニカレッジは出版界で活躍する翻訳者を専門に養成する機関です。産業翻訳や法務関係など実務翻訳のほうが需要も多く、志望者も多いことは百も承知です。残念ですが、そういう方面を希望される方は他の学校へ行ってください。世界中で話題のベストセラーを、歴史に残る名著を訳せる人を、私たちは育てたいのです。
ユニカレッジは、日本を代表する翻訳出版のエージェント「日本ユニエージェンシー」と密接な提携関係にあり、優れた翻訳者の養成を通じて我が国の出版文化向上に寄与することを目的としています。ですから、当校を修了しても資格はできませんが、受講中でも有能で意欲的な受講生なら翻訳の仕事はできます。
現に在校生で雑誌や各種単行本の翻訳に携わっている人が10人以上いますし、実務翻訳の分野では第一線で活躍している人がわざわざ当校で学んだりしています。
駿馬も伯楽を得なければよく走らない、という意味のことばが、中国の『楚辞』にあります。翻訳者を馬に譬えるのは失礼かもしれないので、これをスポーツに置きかえてみましょうか。いかに天分のある選手でも、名コーチがいなければその才能をいかすことができない、ということです。そして、その実力が充全に発揮されるためには、日々のたゆまぬexerciseがものをいいます。
外国語を学び、学んだ知識を翻訳に生かす---魅力的な仕事ですが、それが生かされるためにはhow-toを知る必要がある。翻訳は所詮“手職”だからです。職人は師匠のわざを盗むことで技倆をみがくもの。すぐれた伯楽を得て、なおかつ名選手たちの秘訣にしているわざを盗めるチャンスはそうあるものではないでしょう。持てる知識と能力を生かし、伸ばし試すためにぜひそのチャンスを掴んでほしいものです。
ユニカレッジ創業講師 矢野 浩三郎(翻訳家・故人)



